建学の精神・教育理念・教育目的

本学は、平成19年4月に、山口芸術短期大学を基盤に、教育者・保育者の養成を目的とした専門大学として山口に開学しました。
郷土の先覚者・吉田松陰が説く「至誠」の心を軸に、芸術を基盤とする教育を通して豊かな教養と感性を身につけ、新しい時代に対応できる高度な専門知識と教育力を併せ持った教育者・保育者の養成をめざしています。

教育学部の建学の精神、教育理念と教育目的

建学の精神

「至誠」
「至誠」とは、「真心(まごころ)を尽くす」ということです。 「自らが授かったかけがえのない天分を、渾身の努力を尽くして最大限に伸ばし高め、社会に貢献しようとする、人としてのあり方」をいいます。


教育理念

 建学の精神「至誠」にもとづき、芸術を基盤とする教育を発展させ、時代の変革に対応できる多様性・柔軟性を備え、地域社会の発展に貢献できる人材を育成します。


教育目的


  人間を育てるのは人間に他ならないという教育・保育の本質に立ち、新しい社会の変革の中で強い存在感を示す人材の育成を追求します。

  • 芸術を希求することによって自己の人格を高め、豊かな人間性を身につけた人材
  • 生涯発達的な視点から、乳幼児・児童生徒の生活実態や発達・学びの連続性を理解し、高度な専門性を身につけた人材
  • 社会全体で子どもを育てていくことの重要性を踏まえ、地域の資源を活かしながら専門機関、家庭、地域社会と連携・協働できる人材
  • 時代のニーズに柔軟に対応できるグローバルな視野と課題解決能力を兼ね備え、持続可能な社会の構築を担うことのできる人材
  • ICT教育等の高度情報化社会が求める情報技術活用能力やコミュニケーション能力を身につけ、新たな価値を創造することのできる人材

ビジョン


 建学の精神「至誠」の心の継承と、「芸術を基盤とする教育」から時代の求めるSTEAM 教育を展望し、リベラルアーツ教育を充実することで、豊かな人間性とグローバルな視野を持つ教育者・保育者を養成する大学の実現をめざします。

 山口学芸大学は2007年の創設以来、建学の精神「至誠」にもとづく芸術を基盤とする教育の実践を通して、豊かな感性と創造力、高度な専門性と実践力を併せ持つ教育者・保育者を多数輩出し、地域社会の発展に寄与してきました。 超スマート社会(Society 5.0)の到来に備え、グローバル化の進行、高度情報化社会の進展など社会は加速度的に変化を続けています。このような時代において、山口学芸大学は、教育者・保育者を養成する大学として、地域社会の発展にさらに寄与できるよう、「宇部学園ビジョン2030」に基づき、将来像を示すこととしました。

1)山口学芸大学がめざす将来像

 山口学芸大学は、本学の不変の使命である建学の精神に込められた「志(こころざし)」を継承し、学生一人ひとりの天賦の才を可能な限り伸ばすとともに、他者に対する深い愛情と社会の一員としての使命感・責任感を醸成することをめざします。
 同時に、これまでの「芸術を基盤とする教育」を大きく発展させて、時代が求める新たなSTEAM教育を展望し、本学のリベラルアーツ教育を充実します。この中で、教育・保育の根幹である豊かな感性や表現への意欲、創造力の育成に加えて、複合的な問題への対処や、未知の課題への対応、多角的な判断等を可能にする課題解決能力、情報技術活用能力、コミュニケーション能力を育成します。
 さらに、学習指導要領の理念である「社会に開かれた教育課程」の実践者として社会に輩出できるよう、社会的汎用性とグローバルな視野を備え持続可能な社会の構築を担うことのできる人材を育成し、地域社会の発展に貢献し続けます。 また、これらを確実に実現するために大学運営のより一層のガバナンス強化を図り、財政基盤の維持・強化にも積極的に関わりながら、豊かな人間性とグローバルな視野を持って、Society 5.0 を牽引する人材の養成をめざします。


2)学生がめざす将来像

 山口学芸大学で学ぶ学生は、他者に対する深い愛情とあらゆるものへの感謝の心を培います。そして、変わりゆく社会のなかで子どもたちが「生きる力」を持てるように導いていける存在になることをめざします。そのために、①多様な感性や創造性を捉え、伸ばす力、②情報通信技術(ICT)や数理データ科学等を活用する力、③地域コミュニティをつなぎながら教育・保育・子育てに関わる力を獲得できるよう、たゆまぬ努力を続けます。



大学院教育学研究科の建学の精神、教育理念と教育目的

建学の精神

「至誠」

 「至誠」とは、「真心(まごころ)を尽くす」ということです。 「自らが授かったかけがえのない天分を、渾身の努力を尽くして最大限に伸ばし高め、社会に貢献しようとする、人としてのあり方」をいいます。


教育理念

 山口学芸大学大学院教育学研究科は、「芸術を基盤とする教育の実践と理論的体系化」及び「子ども学発展への寄与」を教育理念とします。
 芸術は、豊かな感性や自己を表現する意欲、創造性などを育み、子どもの人格形成に非常に重要な役割をもっています。また、子どもの人格形成に携わる教育者・保育者自身が芸術を通して自己表現する喜びを知り、それを他者と共有することの素晴らしさを経験することは、優れた教育者・保育者にとって必要不可欠なことです。
 さらに、生涯発達的な観点から、乳幼児期から児童期までの子どもの生活や発達・学習の連続性、すなわち幼児教育と小学校教育との連続性について学びます。また、社会全体で子どもを育てていくことの重要性と時代の要請を踏まえ、学校(幼稚園を含む)と、家庭や地域社会との連携に関して学びます。このような総合的な視点から、子どもを理論的実践的に理解することを「子ども学」としてとらえ、子どもの課題を発見し、子どもの成長発達のための条件や支援について探究します。


教育目的

 大学院教育学研究科は、教育学部で形成した教育者・保育者としての資質を、さらに学問的成果のもとで一層充実させ、以下の二つの資質を備えた教育者・保育者を養成することを目的としています。

  1.   教育学や心理学などの高度な学問的成果に学び、真理を探究するとともに、山積する教育課題に対応する資質
  2.   教育実践および芸術表現について深く分析し、高い教育実践力と芸術表現力によって教育課題に対応する資質


創立者

創立者 二木 謙吾

二木 謙吾(1897~1983)

山口師範学校(現山口大学教育学部)卒。
「至誠」を生涯にわたる信条とし、小学校教員として教育者の第一歩を踏み出し、37歳の若さで宇部小学校(現上宇部小学校)の校長(当時宇部市最年少)となる。 その後、昭和17(1942)年宇部女子商業学校校長に就任。昭和20(1945)年に財団法人宇部女子商業学校(慶進高等学校の前身)を設立し、理事長に就任。学校経営に情熱を傾けるかたわら、昭和22(1947)年より山口県議会議員を3期つとめ、副議長、議長を歴任する。昭和37(1962)年より参議院議員を3期つとめ、国や地方の教育振興に奔走し、この間、昭和41(1966)年に宇部女子高等学校美祢分校(現 成進高等学校)と宇部中央自動車学校、昭和43(1968)年に山口芸術短期大学を設置する。
昭和54(1979)年、勲一等瑞宝章を授与される。 昭和58(1983)年12月永眠。