学長挨拶

建学の精神「至誠」にもとづき、芸術を基盤とする教育を発展させ、時代の変革に対応できる多様性・柔軟性を備え、地域社会の発展に貢献できる人材を育成します。


 山口学芸大学は、2007年4月、山口芸術短期大学を母体として創設された、教育者・保育者養成を主眼とする大学です。2011年4月に大学院教育学研究科を設置し、2016年4月には従来の初等幼児教育専攻に加え、中等教育専攻(英語)を教職課程として整備しました。その後、中等教育専攻は「英語教育専攻」へと名称変更し、令和4年度の大幅なカリキュラム改定により、英語教育専攻は小学校教員免許と中学校教員免許(英語)の免許併有を可能にする教育プログラムとなっています。社会情勢の変化の中で、「幼・小」の免許併有や「小・中」の免許併有が望まれていることもあり、両専攻の運営の一体化を行い、専攻選択は入学後に行う形に変えています。キャリアパスの柔軟性を持たせることから、教育の特徴の一つとして「こども学」と「グローバル学」を選択必修化するなど、コミュニケーション力の習得は勿論、地域課題解決演習(PBL)を含むグローバル科目群の開設により、「グローバルマインド」を持つ教員養成に力を入れています。また、社会変化や多様性に対応できる柔軟性を備え、地域社会の発展に貢献できる人材の育成をめざしています。

 本大学は、教育学部・教育学科(2専攻)及び大学院教育学研究科のみの小規模大学ですが、専門職への就職率は全国でもトップクラスにあります。就職先も、山口県は勿論、九州・沖縄及び広島・岡山を含む近隣の各県に及び、卒業生は保育士・幼稚園教諭から小学校教諭及び中学・高等学校教諭(英語)として活躍しています。大学院教育学研究科には、学部卒業生の他に社会人や留学生の入学が有り、現在は大学教員として活躍されている方もおられます。学生の皆さんには、専門性を伸ばしグローバルな視野を身につける人生の「自由な学びの時間」として、大学院での研究活動を体験されることを強く薦めたいと考えます。学会での研究発表や提携大学への短期留学などの貴重な経験が一生の宝となります。

 新型コロナウイルス感染症がパンデミックとなり、世界は変わってしまいました。ウィズコロナの時代は、徹底した感染症防止対策は勿論ですが、授業形態も遠隔講義の導入や、遠隔と対面のハイブリッド化など、困難な課題が山積です。アニメ映画「天気の子」の副題である"Weathering with you(あなたと共に困難を乗り越えよう)"の気持ちで、21世紀の課題であるパンデミックや気候変動に対して、皆さん一人ひとりが出来ることを創造し、実行して欲しいと願っています。

三池 秀敏

山口学芸大学 学長

三池 秀敏  Miike, Hidetoshi

プロフィール
1948(昭23)年生まれ。
九州大学工学部卒業後、九州大学大学院工学研究科電子工学専攻博士課程修了
工学博士(専門分野:物性物理、非線形科学、視覚工学)
山口大学理事・副学長を退職後、2016年に山口学芸大学に着任。
副学長を経て、2017年12月より山口学芸大学、山口芸術短期大学学長。

●西ドイツ・マックスプランク研究所博士研究員(1987.4-1988.3)
●日本時間学会理事
●情報処理学会会員
●日本物理学会会員
●形の科学会会員

≪最近の著書≫
・ほんとうの暦(大学教育出版、2020)三池秀敏 ・女性の健康とライフスタイル(大学教育出版、2019)並木幸久、三池秀敏編著
・デジタル動画像処理(大学教育出版、2018)三池秀敏、古賀和利編著