学生の皆さんへ 「生成AIツールの授業等での取扱いについて(ver.2.0)」

2023.09.06

山口学芸大学
副学長 岡村 康夫

 7月26日付で、本学における、「生成AIツールの授業等での取扱いについて(ver1.0)」をお知らせしたところです。
 そこでは、学生の皆さんが、Society5.0を生き抜く子どもたちを育成するにふさわしい教育者、保育者になるべく、この新しい技術の利便性と懸念点の両面を認識しながら、適切な利活用を修得し、不適切な利用をしないことが重要であると述べました。
 先般、前期末の成績評価表をお届けしたところですが、このたび、今回の成績評価を終えた時点で各授業担当の先生方から届いた意見を踏まえるとともに、文部科学省の7月13日付「大学・高専における生成 AIの教学面の取扱いについて」に基づいて、生成AIの利用にあたっての注意事項等を以下のとおり取りまとめましたので、確認してください。
 なお、今後も、適切な利活用や制限事項について、学生の皆さんとともに検討を続けていきたいと思いますので、皆さんも、ぜひ教員と意見交換をしてみてください。

  1. 生成AIの授業での利用は、担当教員の指示のもとに

     本学では、生成AIの授業における利用については、一律に禁止することはしていませんが、授業の特性によっても利活用の判断は異なることから、必ず、担当教員の指示のもとに、或いは担当教員に相談し了承を受けた上で、行ってください。
     利用する際には、生成AIの名称、入力した指示文や応答、使用箇所、日付など、担当教員の指示に従って明記するようにしてください。

    ※ 授業中の活用例(「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて」より)
    ・ブレインストーミングや論点の洗い出し
    ・情報収集や文章校正
    ・翻訳やプログラミングの補助等の学生による主体的な学びの補助・支援
    ・生成AIへの質問・作業指示に関する工夫やそれによる出力の検証
    ・生成AIの技術的限界の体験等  

    ※「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」にも具体的な活用例が記載されていますが、小、中学生や高校生の利用については「年齢制限(※1)や保護者同意等の利用規約の遵守を前提」とし、「特に小学校段階の児童に利用させることには慎重な対応をとる必要がある」とあり、注意が必要です。

    ※1:年齢制限や保護者同意等の利用規約
    ChatGPT(OpenAI)・・・18歳以上、保護者の許可がある場合は13歳以上
    Bing Chat(Microsoft)・・・成年、未成年は保護者の同意が必要
    Bard(Google)・・・18歳以上

  2. 生成AIから出力したものは、内容の確認や裏付けを行うこと

     生成AIは、「大規模言語モデル」という仕組みを活用して、確率に基づいて次の単語を予測し、文章を生成していくものです。そのため、出力した内容には誤りがあったりバイアスがかかっていたりする可能性がありますので、十分に確認や裏付けを行ってください。

  3. 個人情報、機密情報の流出・漏洩に留意すること

     生成AIに入力した指示文などの情報は、AIが学習し、他のユーザーに用いられて、個人情報や機密情報が意図せず流出・漏洩する可能性があります。その場合、生命やプライバシーに重大な影響を及ぼすことさえあります。授業内外に関わらず、活用する場合は、自他の個人情報や機密情報を入力しないよう留意してください。

  4. 生成AIによる生成物を、そのまま成績評価に係る成果物として提出することは、原則禁止

     本学の成績評価は、小テスト、授業毎の課題、レポート、発表、試験など多様な方法を用いて行っています。しかし、課題やレポート、発表資料、論文等の作成において、生成AIを利用し、それらをそのまま自己の成果物として提出した場合、学生の皆さんの適切な成績評価とならない可能性があります。また、その提出物の中に、著作物の内容がそのまま含まれていた場合、意図していなくても剽窃(盗作)になってしまう可能性もあります。ついては、担当教員の指示等を受けた場合を除き、生成AIの生成物を、そのまま成績評価に係る自己の成果物として提出することは、原則禁止とします。よって、生成AIによる生成物をそのまま自己の成果物として提出した場合は、不適切な利用とみなします。

教職員の皆様へ

教職員の皆様におかれては、学生の皆さんへのこの「取扱いについてver.2.0」を確認の上、適切な指導をお願いいたします。